たのしいプログラミング Pythonではじめよう!

2014/02/24 00:00

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プログラミングの入門書「たのしいプログラミング Pythonではじめよう!」を献本いただいたきました。

目次は オーム社のページ に掲載されているのでそちらを参照してください。

この本でなにができるようになるか

Python の何が良いかというと、インタラクティブシェルやIDLE(簡易IDE)や、GUIライブラリまでが標準インストールで使えるインタプリタ言語という所なのです。

この本は Python の強みを活かしていて、家のコンピュータがWindowsでもOSXでもUbuntuでも、コンピュータとこの本を渡しておけばPythonのインストールから四則演算、制御構文、関数やクラスといった基礎の部分から、グラフィックスが点や線でできていることを実際に試しながら実感していくこともでき、はてはビットマップ画像のスプライトを使って簡単なゲームを作るところまで楽しみながらたどり着けてしまいます。

私にとっても、こんな素敵モジュールあったのか!というような驚きもあり、子供用に自分で教材を作らなくてよかったなと…。

翻訳のレビューを引き受けた際に子供に最初の方を見せてやらせてみていましたが、出来上がった本はよりわかりやすくなったとのこと。引き続き最後までやらせようと思います。

Python という言語はどうなの?

Pythonは世界中で使われており、様々な利用のされ方をしています。

コンピュータグラフィックスのソフトウェアの世界では標準的な自動化スクリプトの地位を獲得していますし、科学技術計算や統計の世界でも使われています。もちろん、Webサービスでも使われています。

すでに23年の歴史があり、本書で使われている Python のバージョン 3 は今までの Python の歩みからすると(改善や追加は当然あるにしても)基本的な書き方は10年くらいは大きく変わることはないのではないかといった安定した汎用プログラミング言語です。

個人的に気になっているプログラミング教育の話

平成24年から中学校でプログラミングが必修になっているようです。地元の学校がどのように教えているかはわかりませんが、一般的な中学教師の全員が汎用プログラミング言語を習得しているとは思えません。ですから、プログラミングで得られる考え方を学ぼう的なことで終わるのではないかと思っています(そもそもそういう目的だったかも)。 もちろん、それで十分という考え方や、導入を容易にしてその先に進めば良いんだといった考え方もあるでしょう。

しかし個人的には子供を侮る必要は無いと思っていますので、今10歳の子供が中学生になってそういった教育を受けてしまう前にどのようにしてプログラミングを教えるかを考えていました。うちの子は音楽をやっていて、おそらく音楽関係でもスクリプトを使う(つまりプログラミングを行う)日がやってくると思っています。マウスでチコチコ…とやっていては効率が悪いことはITエンジニアは皆わかっていることなのです。

実は原著も2012年に購入済み

#pyfes での喫煙室おっさんトークでも、結局良くわからないままコードを打ち込んで覚えたよね、という話になります。基礎的な要素をいくつか盛り込んだ10行くらいでできるCUIベースのタイピングゲームのプログラムをプリントして子供に打ち込ませたりといった試行錯誤を始めたところに「たのしいプログラミング Pythonではじめよう!」の日本語翻訳版をレビューしてくれないかというお誘いがあり、これは!と思い参加したのでありました。

原著は10歳以上が対象なので自分でインチキ訳をしながら子供にやらせるというのもありだとは思っていたのですが、英語の国の10歳と英語をやらせていない日本語の国の10歳では感覚で理解できる言葉が違い、なかなかどうして訳も難しいのです(日本語翻訳版は10歳以上とはうたっていないと思います)。

レビューをしながら、翻訳者たちが言葉一つ一つを日本人の幅広い年代にわかりやすくするためにどうするかといったやりとりが行われているのを見て、自分でインチキ訳をしなくて良かったと感じました。

翻訳者の磯さん、藤永さん、鈴木さん、素敵な翻訳をありがとうございます。

P.S. 子供が楽しそうに途中経過を報告してきています。

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