今回やったデジタイズ
Nikonのカメラ用のフィルムデジタイズアダプタ ES-2 は、明かりを拡散する白い板のついたマクロレンズにつけるフードみたいなもの、そのフードの先端につけるスリーブやマウント用ホルダー、マクロレンズとフードみたいなものをつなげるためのもののセットです。
対応するマクロレンズに ES-2 をつけて、拡散板にライトを照らして、カメラで撮影するだけでした。
ピントはマクロとミラーレスカメラなので文句なしです。
撮影時の注意(ライト)
色温度を安定させるために、ビデオライトを使いました。NEEWERの CN-160 を ES-2 目の前に設置して、フルパワーで発光させました。
しばらくするとバッテリーが減って光量が落ちてくるので、 替えバッテリーと充電器のセット は必須です。バッテリーは3本あれば回せます。
ACがあればもちろんACで良いです。
撮影時の注意(露出)
露出の調整はシャッタースピードの調整で行いました。
絞りはなんとなくF8にして、ISOは100にしました。
ヒストグラムがいい感じにの位置に広がるように調整して撮影しました。
フォーカスエリアはオートにしました。
撮影時の注意(バッテリーと三脚とレリーズ)
カメラも長時間使うので、ACがあると良いです。
自分はYouTubeで長時間撮影することがあるのでACを持っています。USB給電できるカメラならそれでも良いのかもしれないけれど、丸一日となるとやはりACが良いでしょう。
Z6をACに繋いで使うには、 EP-5B と EH-5d の2つのアイテムが必要です。
EH-5d をコンセントに挿して、先っぽに EN-EL 15 と同じ形をした EP-5B をつけてカメラに入れます。
これでカメラの電池は気にせずに撮影できます。
ビデオライト(光源)からの距離を一定に保ちたいので、カメラを三脚にのせます。
もう一つ、レリーズはあると良いと思います。カメラのシャッターを押すとブレる可能性があるのと、シャッターボタンに手を持っていくのが面倒なので押しやすいところにレリーズを置きましょう。
リモートコード MC-DC2 を使いました。雑にシャッターボタン押せて身体の疲れが軽減された気がします。
ネガポジの変換
ES-2を使ってカメラでデジタイズする一番の鬼門はネガを通常の天然色にする工程でしょう。
撮影したままの状態
ネガがそのままRAWになっています。このままではよくわかりません。
ネガの階調を反転してみる
ネガの階調をただ反転しました。Lightroomのトーンカーブで右上がりのラインを右下がりにしただけです。
ネガはオレンジがかっていて、ブルーとグリーンが弱いらしいです。反転すると青っぽくなりました。これを都度修正していくのではいくら時間があっても終わりません。
Lightroomのプラグインを使う
1枚とか2枚とかをじっくりと色調整をしていくなら、Lightroomで頑張れば良いと思います。
ある程度の枚数を処理する場合には、 NEGATIVE LAB PRO プラグインを購入してしまうのが良いと思いました。
ちょっと前のバージョンは余白まで撮影をしておいて、ネガの何も写っていないところの情報を使うみたいなことをすると良さそうだったんですが、2.4は自動認識で十分らしいです。
購入した時点では$99でした。12回出力するまで使えるトライアル版がサイトからダウンロードできるので、お試しをまずはしてみると良いでしょう。
数十枚一括で選択して一括変換などもできます。300枚くらいまとめてやろうとしたらメモリエラーで落ちましたので、36枚くらいずつやりました。
フィルムデジタイズの方法
参考までに、今までどんなデジタイズをしてきたか、どんな選択肢があるのかを紹介します。
専門業者に依頼する
Kodak
最初は個人では大変だったので、Kodak PhotoCDを使っていました。データ化は200万画素程度だったと記憶しています。独自形式で保存されていて、PhotoCDからの取り出し方みたいなブログが散見されます。 十分な画質といえば十分な画質ですが、イマイチといえばイマイチです。
元画像でも150万画素しかないので、拡大するとジャギじゃぎになります。クロップとかは無理(この写真はもっと縮小しています)。
FUJIFILM
今は、FUJICOLORのリメイクサービスというのがあるようです。データ化は300万画素と1000万画素の2種類。
フィルムをDVDというサービスです。 FUJIFILMのサイト から価格は確認できます。
ポジフィルムを細かくカットしてしまっていたり、マウント(スライド)にしてしまっていると、指定コマ書き込み扱いで、1コマあたり110〜143円かかってしまいます。
1000万画素のデータ化は指定コマ書き込みになり、1コマ715円!
今回デジタイズした物量や種類だと、少なくとも5万円以上、条件によっては20万円くらいかかってしまってもおかしくないですね。
ただし、お願いしたらデータ化されてくるので楽そうです。
複合機やフラットベッドスキャナを使ってスキャンする
専用のホルダーにスリーブやマウントをセットしてスキャンできる製品があります。
3万円前後で変えるEpsonの複合機 EP-884A はスキャナの主走査が1200dpiっぽいので、 (35mm/25.4mm*1200dpi) * (24mm/25.4mm*1200dpi) で結局200万画素弱の読み取りになるのかな?
ある程度の解像度でスキャンすると時間がかなりかかった記憶です(3000コマは現実的に耐えられない気がする)。
フィルムスキャナーを使ってスキャンする
2016年に購入したKenkoのスキャナは500万画素でした。2000dpiくらいだったのでしょうか。5000円くらいで安いものでした。
今確認してみると、サンワダイレクトの 400-SCN058 が良さそうですね。Panasonicの1400万画素CMOSセンサーを搭載しているらしい。
3307 * 2267 = 750万画素 A1かA0にプリントする用
7200dpiという化け物 400-SCN061 もありますね。しかもスリーブをセットしてスキャン開始すると6コマを自動でスキャンしてくれるっぽい。6万円くらいなのでちょっと気になるかも。
Kenkoの500万画素でスキャンしてクロップしたもの。青みがかってますかね。
カメラを使ってスキャンする
今回のデジタイズはこれです。
デジタルカメラとマクロレンズを使ってフィルムを撮影します。カメラの連写速度を思い出すと分かるように、デジタル化自体は超速です。
ネガの色調変換を自分でやる必要があります(D850、D780には自動ポジ変換機能が付いていて、簡単にjpegにできるようです)。
画素数は、カメラの画素数に依存します。Z6は2400万画素なので、2400万画素のRAWデータを作れました。
今回のデジタイズ。ネガの粒状感もそのままですが、つぶれた感じもなく、色も良い感じです。今のところトータルで一番良いです。Z7とかZ9を使ったら4500万画素になるわけですよね。
この写真はkenkoの例と合わせるためにクロップしています。
レンズのレンタル
ES-2に必要なマクロレンズを持っていませんでしたので、Rentioというサービスを利用しました。
MC 50mm f2.8のZレンズ、3泊4日で6980円でした。購入すると7万円くらいのレンズなので、コスパ的には悩ましく感じました。
ただ、デジタイズで一時的に利用するだけなので購入する1/10で済んだことになるので、良かったです。購入してすぐに売却するよりもコスパは良さそうです。
日時指定で予約できて、返送の送料も込み。延長は1日700円なので、ちょっと時間がかかってしまう場合には延長すれば良さそうです。