変わる時代、変わらぬ政治の微かな希望

2025/03/20 18:11

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自民党に見切りをつけ、国民民主党に微かな期待

自民党を消極的に支持してきたけれど、最近、そのスタンスを改めざるを得なくなってきた。2024年の総裁選で石破氏が首相になった。党内の野党役だった頃から文句は言いつつ「慎重に考えなければならない」と何も言っていなかった。その状態は変わらず、加えて党内に子分がいないためか、誰かの言いなりに見える。

総裁選で対抗馬だった高市氏に期待は抱いていた。しかし、政府が提示した「103万円の壁」に対する言動には、正直、落胆した。予算案が衆議院を通過するという重要な局面で、ただ不満を述べるだけで具体的な行動を起こさなかったのだから、実行力がないという判断になる。自民党への消極的支持を一旦保留することにした。

で、他に支持できる政党があるのかと考えると、どこを向いているか不明な維新、民主党時代を総括せず自己主張ばかりが目立つ立憲民主党は違う。れいわ・参政党・共産党は良い悪いということさえ検討できない。

立憲民主党と同じく旧民主党の流れを汲むので一抹の不安はあるものの、現状では国民民主党にわずかな希望を託すしかないと考えている。 自民党の裏金問題は是正すべきことではあるけれど、それにばかり注力して与党のイメージダウンを図るような政党や、現実を無視した急進的な主張をする政党ではなく、現実的な視点を持って前向きに取り組もうとしているように見えるのは、今のところ国民民主党くらいだと感じている。

団塊ジュニア・氷河期世代のリアルと、目を背けられない少子化の現実

私自身、間もなく50歳を迎える。老後という現実が、否応なく近づいてくる。少子化が進み、人口も経済も右肩上がりの成長が期待できない時代であることは、1980年代から少子化が問題視されていたにもかかわらず、有効な対策が講じられなかった結果、今や団塊ジュニア世代(年間約210万人)に対して、2024年の出生数が70万人を切るという現状を見れば明らかだ。

進化するITと、時代遅れの感否めない地方自治体

私はITエンジニアとして、メガベンチャーで日々の業務に携わっている。数年前に登場した生成AIの進化は目覚ましく、当分はできるようにならないと感じていたプログラミングも、ある程度自動化できるようになってきている。その進化のスピードは驚異的で、四半期ごとに性能が飛躍的に向上している。2年前の自分に「検索エンジンの利用頻度が激減した」と告げても、きっと信じないだろう。会議での議事録作成も、今や音声認識と自動生成が当たり前となり、手書きで行う必要はなくなった。各人のネクストアクションまで理解して要約に入れてくれる。

石破政権に変わった後の衆議院選挙で自民党と公明党が過半数を取れず少数与党になった結果、「財源がない」という言葉が頻繁に聞かれる。仕事のやり方を根本的に変えず、やめることを検討せず、過去の慣習に固執し、必要な予算が増え続けるばかりであれば、必要な予算は減らないので別のことに予算が必要になったら財源が不足するのは当然でしょう。人口も経済成長も右肩上がりの時代が終わった今、だいぶ昔に定義された自治体や国の仕事の仕方が、抜本的に見直されなれければどんどん硬直していく。未だに紙や電話でのやり取りが多く行われているのだと推測している。例えば、人口わずか17万人の鎌倉市において、庁内郵便料という名目で1億2000万円の予算が計上されている(「庁内郵便料」で検索しても具体的な内訳は不明で、何の費用かはわからない。geminiに聞いてみたところ、郵便物の封入・封かん作業費用かもしれないとのこと)。

鎌倉市役所移転問題に垣間見える、地方自治体の構造的な課題

少し視点を変えて、鎌倉市では市役所の移転問題が議論されている。深沢という地域への移転案が議会で否決されたのだが、その背景には鎌倉ならではの事情がある。鎌倉は、かつて住宅ブームの際に過度な開発を防ぐため、日本で最初のナショナルトラスト運動が起こった地であり、その影響で現市役所と同じ高さの建物を同じ場所に新たに建設することが難しい。そのため、広い土地が残る深沢地域への移転が検討されたわけだが、その前提や別の事情が気になっている。耐震性に問題があるので立て直したいというのは理解できるが、そのためには移転が必要なのか、という疑問がある。

移転を推進する側の主張は、現在の広さでは手狭であること、職員数が増加していること、そして津波のリスクがあること、などだ。しかし、移転候補地はかつて暴れ川として知られた川の近くであり、逆に現在の市役所はハザードマップの対象外であるにもかかわらず、移転先はハザードエリアに指定されているという事実を考えると、彼らの主張には疑問を感じざるを得ない。さらに不可解なのは、2024年に移転案が否決されたにもかかわらず、3億円もの予算を投じて移転候補地の建築案コンペが実施されたことだ。移転のイメージを伝えたいという意図らしいが、このような予算の使い方には納得がいかない。深沢は、東海道線に新設される村岡新駅の近くであり、新しい街に人の流れを作り出したいという意図が見え隠れするのは、私の穿った見方だろうか。

閉塞感を打破する兆し?新たな政治の潮流への期待

そんな停滞感のある状況の中、近年、少しずつ変化の兆しが見え始めているように感じる。兵庫県知事選や東京都知事選で、これまでとは異なるタイプの政治家が登場してきたのは記憶に新しい。特に印象的だったのは、東京都知事選で落選した石丸氏が立ち上げた新しい党だ。その党は、特定の政策を持たず、仕事ができる人材を選ぶという方針を掲げている。政策がない、しかし仕事ができる、というのは、都政においては合理的な考え方かもしれない。都議会議員は条例を制定することはできても、法律そのものを変えることはできない。彼らの主な仕事は予算のチェックであり、その際には「仕事ができる」という能力が何よりも重要になる。仕事ができるサラリーマンの副業としても適しているかもしれない。しかし、法律を変えられないという制約があるため、多くの葛藤を抱える可能性もあるだろう。それを理解した上で、さらに法律を変えることができる国会議員を目指すのも一つの選択肢かもしれない。

先日、鎌倉市の市役所移転問題に関する集会が開かれたというニュースを見たが、主催が立憲民主党と共産党だったため、事前に知っていたとしても参加しにくかったと思う。特定の政党の支持者と見られるのには抵抗がある。「政策がない=色がつかない」ということは、議員を目指す人だけでなく、支持する側にとっても歓迎すべき点だと思う。

待ったなしの変革期、今後への期待

もはや「待ったなし」という言葉さえ陳腐に感じるほど、変革の必要性は高まっている。しかし、生成AIをはじめとするIT技術の進歩、そして新しい考え方を持つ政治家たちの登場によって、ようやく変革の波が押し寄せ始めているのではないかと期待している。石破総理の政権運営によって、自民党が支持を大きく失う可能性がある。40代の自民党支持率がゼロパーセントというアンケート結果もあるように、政党そのものが消滅する可能性さえあるかもしれない。

もっとも、アンケート調査の結果については、調査方法に疑問を感じるものが少なくないため、鵜呑みにすることはできないと考えている。SNSでの偏りを避けるために電話アンケートを実施しているようだが、昨今、まともな感覚を持つ人が知らない番号からの電話に出ることは稀であり、SNSを利用する人のばらつきよりも偏るのは明らかで、その実態を理解しているのか疑問に感じる。

明治や昭和の時代から変わらない公務員の働き方を抜本的に変え、リモートワークに適したツールを導入し、オフィスを分散化することで、少子化と人口減少を見据えたコンパクトな市役所を現在の場所にも建設できるのではないだろうか。もし法律で紙の保存が義務付けられているのであれば、ハザードエリアである深沢に保存庫を高床式で建設すれば良い。元市役所の駐車場も潰せば良いのでは。

自治体職員がIT企業に出向した体験のブログ記事 を見ると、自治体で働く方々も業務の効率化を強く望んでいることを感じる。それを阻害しているのが時代遅れの法律の数々だとしたら、古い時代に合わせて作られた法律を大胆に見直し、現代社会に適合した実務的な政策を推進してくれる政党が、一日も早く現れることを切に願っている。

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